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オレンジとマカロン

エリザベス:ゴールデンエイジ

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(c) 2007 Universal Studios. All Rights Reserved.

原題;Elizabeth:The Golden Age
監督;シェカール・カプール
出演;ケイト・ブランシェット、ジェフリー・ラッシュ、クライヴ・オーウェン、アビー・コーニッシュ
    サマンサ・モートン
2008年 日本公開

公式HP



 もし、人に前世というものがあるならば、ケイト・ブランシェットは中世ヨーロッパの王侯貴族だったに違いない。そんなことを思わせるケイト・ブランシェットの演技は、前作の『エリザベス』を観終わったときは「この人何者?」と思ったが、今回も「やっぱりこの人何者?」と思ってしまうくらいのものだった。

 作品を観るまではイギリスの黄金期を支えたエリザベス一世の強さを前面に押し出したものになっていると思っていた。しかし、蓋をあけてみると、そんな教科書に載っているようなイメージを覆すような、女王の心の裏にある不安や揺らぎも丁寧に描かれていて、エリザベスを「女王」ではなく「女性」として捉えた作品になっていたと思う。
 歳を重ねることへ不安を感じ、自分が歩んできた道の是非を自問自答する。そんな人間らしいエリザベスの姿に共感し、侍女のエリザベス(アビー・コーニッシュ)に向けられる視線の先に、若かりし頃の自分を重ね合わせているのがスクリーンのこちら側にも伝わって胸を締め付けられた。
 それでも最後、女王の強さを堂々証明する。史実の面では、誰もが知っている話の展開のはずなのに最後まで見飽きない大作だと思う。

 華やかな衣装の数々も見所で、個人的には前半に登場するイエローのドレスが好かった。侍女のエリザベスと必ずドレスの色を揃えているのが、心憎い演出。
 でも決して軽やかな「お姫様シネマ」ではなく嫉妬、妬み、企み、欲望が渦巻く宮廷のダークな人間模様を見せ付けられ見応え充分だった。


 個人的にケイト・ブランシェットのレッドカーペットでのドレスアップ姿は注目している。いつも上品なのに可愛らしいドレスを着ている。これは今年のアカデミー賞。


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こんな美しい妊婦がいていいのかしら。
by orangeraie | 2008-03-13 23:57 | 映画